真実の神霊界


(前回の続きです)

 

【幻想の非物質世界】は俗にいう『死後の世界』です。

 

 

いくつもの階層に分かれ、上に行けば行くほど【真実の神霊界】を反映した世界になります。

 

しかし、反映しているといってもしょせんは幻想の世界です。

 

【実在している世界】と【非実在の世界】という決定的な違いがあります。

 

 

 

そのまま上昇していく(本当に上下があるわけではありません。例え話です)人もいます。

 

けれど、その手前でとどまってしまい、再び物質世界に戻っていく場合があります。

 

 

 

それがいわゆる『生まれ変わり』ってやつです。

 

しかし、『生まれ変わり』『輪廻転生』については多くの誤解があったり、見解の相違が多いものです。

 

 

 

「人は生まれ変わる」、「人が生まれ変わることはない」とスピリチュアルな世界でも意見が分かれるのですが、

 

僕はある意味では『どちらも正しい』と思っています。

 

 

 

昔から信じられているような、人それぞれに独自の【魂】のようなものが存在して、 

その【魂】が肉体に宿って人生を生き、時が来たら再びその【魂】が肉体を離れていく……

 

 

こういう説が正しいかといえば、僕ははっきり「違う」という立場に立っています。

 

これは最初の『幻想の物質世界』の回でもお話しました。

 

 

もしも人それぞれに独自の魂が存在するならば、 

人は肉体だけでなく、魂も【分離】していることになります。

 

もし、その魂も【分離】しているとしたなら、いったいその【分離した魂】は誰がつくったのでしょうか?

 

 

 

肉体は肉体独自に存続しているのではなく、肉体はマインドがつくりだす幻想の一部分です。

 

『本当の私たち』は肉体の中には存在せずに、【肉体の外側で肉体を投影している】のです。

 

 

(『輪廻転生』についてはまた別の回でお話しします)

 

 

 

 

【真実の神霊界】とは【真実の私たち】がいる世界です。

 

【真実のあなた】が、『神』と一体で、永遠の豊かさと無条件の愛に包まれて生きている世界です。

 

 

 

ここにいるあなたとは別に、もう一人のあなたがいるのではありません。

 

 

ただ自分の中で、

 

【一切の幻想を信じていない部分=ハイヤーマインド】と

 

【幻想こそが実在と信じている部分=フィジカルマインド】があるだけです。

 

 

 

私たちは物質界にいながら、同時に今も【真実の神霊界】でも生きていることになります。

 

そこにいるのは、肉体ではない私たちです。

 

そこにいるのは、何も個別に分かれていない、特定の形をもたない私たちです。

 

 

 

 

いくつもの【個体】が寄り集まっているのではありません。

 

スピリチュアルの世界では『集合意識』とか『オーバーソウル』などと呼ぶこともあります。

 

【個】であった魂が次元上昇を続けてゆくと、やがて他の魂たちと合流してより大きな統一された魂となってゆくという説明が多いですね。

 

しかし、そもそもが最初から一度も分離してはいないので、こういう説明は正確ではありません。

 

 

存在するものは、

 

『神』という個と、

 

その『神から生まれて今も一体でいる神の子』という個だけです。

 

『神』と『神の子』は一体のスピリットですから、正確には【個】はたった一つです。

 

 

 

私たちがなぜこの【幻想の物質界】や【幻想の非物質世界】をつくったのかは前にも説明しました。

 

 

 

簡単におさらいします。

 

 

私たちはスピリットです。

 

たった一つのスピリットです。

 

たった一つですべてを持ち合わせた完全無欠な存在です。

 

 

しかし、そのスピリットの中にあるマインドが、正確にはそのマインドのほんの一部分が間違いをしました。

 

 

「自分は『神』から分離してしまった」と誤解したことです。

 

その誤解した瞬間、私たちのマインドは、【分離】をキーワードにして、

 

あらゆるものが【違い】をもったこの宇宙をつくりました。

 

 

しかし、『神』と一体である私たちが『神』が創らない【分離の世界】をつくれるはずはありません。

 

 

【分離の世界】をつくることなど『神』はけっして同意しません。

 

 

よって、この世界は、私たちのマインドの中でつくられた幻想であり、夢の世界ということになります。

 

 

私たちは今も『神』と一体であるにもかかわらず、『神』に捨てられたと思い込みました。

 

私たちは今も『神』と一体であるにもかかわらず、『神』を裏切ったと信じてしまいました。

 

この二つの誤解(正確にはどちらも同じ意味なのですが)が私たちがこの夢の中に居続ける動機です。

 

 

 

 

【真実の神霊界】に帰りたい、この【分離したという夢】から醒めたいと誰もがマインドの深いところで感じています。

 

でもそれと同じくらい、いや、それ以上に「戻りたくない」「夢から醒めたくない」という気持ちが強いのです。

 

 

 

 

それは、私たちが『神』を裏切ってしまったという強い罪悪感が根底にあるからです。

 

 

『神』の意志にないものを私たちが勝手につくってしまったことで、

 

『神』の世界に戻ったら『神』から罰せられるという恐怖感をもっているのです。

 

 

そして、私たちは『神』に見限られたという誤解による『神』への【憎しみ、恨み】もあります。

 

私たちは自分たちがこの世界をつくりだしたことをすっかり忘れ、

 

『神』がこの世界を創造したことにしてしまいました。

 

それは私たちが誤って生み出したエゴによる【幻想世界を存続させるための策略】だからです。

 

 

 

そして私たちはこの物質宇宙で、

 

飢えや孤独や争い、病気に苦しみ続け、

 

「なにゆえ神はこのような苦しみの世界に私たちを置いたのか」と嘆き悲しむようになったのです。

 

 

 

だから、『神』のもとに帰ることに無意識に抵抗を感じるのです。

 

『神』への恐れによって、私たちはこの【幻想の世界】にとどまっています。

 

自分たちの意思で、夢から醒めることを拒絶しているのです。

 

 

 

自分が独立した【個】であると信じ、

 

自分の肉体こそが自分のアイデンティティーだと信じていれば、なおさら夢から醒めることは恐怖です。

 

 

 

 

【真実の神霊界】では各々の個性などは存在しません。もとからないのです。

 

【個】はたった一つであり、何一つ分離した存在はありません。

 

 

一つの【個性】は【全体】の一部であり、同時に【全体そのもの】でもあるわけです。

 

 

 

バラバラになったものが再び一つになるのではありません。

 

もともと一つだったことを思い出せばいいだけです。

 

 

 

私たちの多くはこれを受け入れられません。

 

自分と、自分が憎くて仕方がないと思う人物が【一つの存在】だとは信じたくありません。

 

 

 

自分より劣っていると思う相手、自分が軽蔑している相手と【自分は同じである】とは思いたくありません。

 

 

肉体を通して、何十年にもわたって築きあげた【自分の個性】が「実は幻想だった」なんて到底受け入れられないことです。

 

 

 

【真実の神霊界】に行ったら(夢から覚めたら)自分が大事にしてきたものを一度に失ってしまう……

 

そういう危機感もまた【幻想の世界】にとどまってしまう理由の一つです。

 

 

 

本当は何も失わないのですが……。

 

失うどころか、すべてを取り戻すのですが……。

 

 

 

 

 

私たちはまるで家出をしてしまった幼い子供です。

 

両親が怒っていると思い込み、なかなか家に帰れずにいる子供です。

 

寒さに震え、お腹を空かせ、寂しさに涙し、知らない街をさまよっている子供です。

 

 

 

 

本当は、その両親は一度も怒ったことなどないのです。

 

怒るどころか、暖かな安らぎの家で、子供が帰ってくるのを今か今かと待ちわびているのです。

 

 

 

叱るどころか、帰ってきた子供を真っ先に抱きしめてやることしか考えていません。

 

 

【真実の神霊界】だけに永遠があります。

 

【真実の神霊界】だけに本当の調和があり、本当の豊かさがあり、本当の安らぎがあります。

 

 

そして、私たちが肉体をもっているときには想像できないほどの

 

【大きくて強くて深い愛】が私たちを待っています。

 

 

 

 

そこはあなたにとって懐かしい場所です。

 

 

あなたが生まれた場所です。

 

 

本当の故郷です。

 

 

 

 

いつの日か、あなたも、僕も、この幻想の世界を卒業しなければなりません。

 

 

 

帰る家があるのです。

 

 

待っている人がいるかぎり、あなたは帰らなければならないのです。