(前回の続きです)
あなたは守護霊の導きで【幻想の非物質世界】に来ました。
この世界はいくつもの階層で分かれています。
波動、波長の違いによって自然に分けられてしまうのです。
それぞれの人が違う波動であるために、同じ波動の人同士が一緒にいます。
お互いの波動が違えば、生前どんなに親しい人でも一緒にいることはできません。
会うこともできません。
この物質世界も基本的には波動の近い者同士が一緒にいるのですが、
【幻想の非物質世界】ほど極端ではありません。
物質世界ではある程度の波動の違いがあっても一緒にいることができます。幅が広いのです。
波動の違いは、その人がスピリチュアル的にどれくらいの段階まで進歩しているかによって変わってきます。
言い方を変えると、
『どれくらい本来の自分に近づいているか』
『どの程度、本来の自分を思いだしているのか』
によって違いが出てきます。
家族であっても、恋人であっても、親友であっても、
どちらか一方の波動が高くて一方が低いってことになれば向こうで再会することは無理です。
ですが、低い方の人が向こうの世界で進歩することにより(より本来の自分に近づくことで)再び会えたりできるようになります。
また高い方の人が、低い人の波動に合わせて自らの波動を低くして会いに行くこともあります。
ただし、これはよくよく考えてのこと、大切な目的がある場合のみです。
進歩を遂げた人が、むやみに自らの波動を落とすことはしません。
最初はこの世界によく似たところから始めて、あなたの進歩に合わせてあなたの住む世界が変わっていきます。
それは色のグラデーションのようなものです。
となりあう色は似通った色です。
離れた色ほど、色合いが変わります。
あなたが最初に行くのは、この物質世界にそっくりな世界です。
あなたが生前に住んでいた街があります。
あなたが生前に暮らしていた家もあります。
あなたが望むなら、そこで暮らすことができます。
別のところで暮らすこともできます。
あなたが望んだとおりに過ごすこともできますが、できないこともあります。
それはあなたが生前の自分の人生をどのように感じていたのかによって変わるでしょう。
自分の生活を楽しんでいたのか、
うんざりしていたのか、
何か後ろめたい思いで生きていたのか、
あなたの生前の想念、あなたが信じる「あなたという実像」、それによってこちらでのあなたの生活も変わってきます。
生前は大勢の人に囲まれて賑やかな生活を送っていた人が、こちらの世界では一人ぼっちでいたりすることがあります。
おそらくその人は、大勢の人に囲まれながら、
「自分のことは誰もわかってくれない」「自分は本当は孤独だ」と思い続けていたのかもしれません。
あるいは、大勢の人との付き合いはあくまでも表面的な建前にすぎず、本当は一人の時間を楽しみたいと思っていたのかもしれません。
あなたが知っている人、あなたより先にこちらの世界へ来ている人に会うこともあります。
その人と一緒に暮らすこともあります。
こちらの世界のことでわからないことは、守護霊に聞いたり、先に来ている人から聞いたりします。
亡くなる直前まで長く病気を患っていた人は、癒されるために治療施設のような場所で静養することもあります。
それもまた、あなた自身が必要とする場合です。守護霊に促されることもあります。
しつこく言いますが、こちらの世界も物質世界もどちらも【マインドがつくりだす夢】です。
【重さや硬さを感じる夢、時間や空間に縛られる夢】から、
【重さや硬さを感じない夢、時間や空間から解放される夢】に移行するだけです。
あなたがこの世界に来て、
「もうお金も食べ物も必要ない。なくても生きていられる」と信じるようになると実際に必要なくなります。
「もう病気になることはない」と信じられれば、生前の病気はなくなってしまいます。
もう飢えることもなくなります。住むところにも困りません。
しかし、あなたが以前にいた【物質世界】で蓄積した観念を引きずっていると、
お金も食べ物も住むところも引き続き必要とするでしょう。
【物質世界】も【非物質世界】も、どちらもマインドがつくりだす幻想です。
どちらもあなたが体験することは、【あなた自身が信じていること】です。
明確に違う点は、自分の体験をつくりだすスピードが【非物質世界】のほうが断然早いということでしょう。
もう一度、この図をみてください。
上に上がっていくにつれ、あなたは【本来の自分】に近づいていきます。
(【真実の神霊界】については後に説明します)
【本来の自分】に近づくということは、
【だんだん幻想を信じなくなっていく】ということでもあります。
上に行けば行くほど(本当は上も下もないのですが……)物質世界で必要だと信じてきたさまざまなものを捨てていくでしょう。
お金も、家も、それらのために働くこともしないでしょう。
特定の人と結婚したり、特定の人と家族をつくることもしないでしょう。
生前の名前ももう使わないでしょう。
自分はスピリットでありマインドであると自覚できれば、マインド同士で直にコミュニケーションすればいいわけで、
名前で誰かを認識する必要がなくなるからです。
文字も必要なくなります。
情報は文字がなくても一瞬で自分の中にダウンロードできてしまいます。
階層の上に行けば行くほど、物質世界で俗にいう『天国』になるでしょう。
上に行けば行くほど、安らかで、喜びと愛に満ちています。
かつて物質世界で感じた不安や恐れのすべてが嘘のように思えます。
あなたはこちらの世界にいながら、生前大切だった人たちの様子を見ることもできます。
空間や時間のない世界にいますから、誰かのことが気になればすぐにその人の様子を見ることも、
場合によったら、その人のそばに戻ることも可能です。
こちらの世界に来たばかりの頃は、頻繁に元の世界に戻るかもしれません。
残してきた大切な人たちのことを心配したり、生まれ育った生活を懐かしんで、ときどき帰ります。
距離は物質世界がつくりだした幻想ですから、一瞬で生前の世界に移動することができます。
お空の上に『あの世』があるんじゃありません。
むしろ感覚的にはもっと近いのです。
この非物質世界が何次元の世界なのかはさまざまな説があるので、僕にも説明できませんが、
感覚的には「この世」と『あの世』は重なり合っているものだとイメージしたほうが早いでしょう。
けれど、だんだんこちらの世界に慣れてくると、戻ることもなくなっていきます。
進歩するにつれ、波動が上がるにつれ、だんだん物質世界への未練が薄れてきます。
遺してきた大切な人たちのことも、変わらずに大切に思うでしょう。
しかし、一方でその人たちにもそれぞれに見守っている守護霊がいます。
そういう存在たちを見て、「大丈夫。心配いらない。すべてはなるようになってゆくのだ」と悟っていきます。
逆にいつまでも物質世界への執着心が抜けない人もいます。
そういう人はいつまでも、物質世界をさ迷い続けます。
物質世界と非物質世界の中間のようなところでウロウロします。
スピリチュアルな用語では【アストラル界】などと呼ぶ場合もありますが、正確な呼び名が決まっているわけではありません。
こういう人が物質世界で生きている人に憑依したり、
ずっと同じ場所に居続けたりして『幽霊』だの『浮遊霊』だのと呼ばれてしまうのです。
俗にいう憑依というのは意識的に行う場合もありますが、大概は自然にそうなってしまいます。
憑依は、生きている人と死んだ人の波動に共通点があると磁石のように引き寄せあってしまうために起こります。
お互いのオーラが引き寄せ合って、重なり合うのです。
ときに憑依する側の人にとっては、望まずに憑依してしまって、
「囚人のように囚われている」という感覚になることもあります。
でもこれもどちらかが波動を大きく変えることでスッと離れることができます。
しかし、その波動を変えるってことがなかなかできないために本人も、死者も、守護霊も苦労するのです。
憑依自体は珍しいことではなく、ごく日常的にあります。
ただそれが、生きている人の側にどれだけ影響を及ぼすのかによって問題化してくるのでしょう。
僕自身も長いあいだ憑依に悩まされましたが、それを引き寄せてしまう側にも責任があります。
一方的な被害者というのは存在しません。
(この話はまた違う機会に…)
そういったいわゆる『幽霊』は、もともとそこらで生きていた『普通の人』です。
ただちょっと性格が頑固なだけなのです。笑
通常は、【本当の自分】を思い出していくにつれ、物質世界を恋しいとは思わなくなるものです。
だって、こちらの世界は、物質世界の何十倍、何百倍も居心地がいいからです。
それを知ってしまったら、わざわざ戻りたいとは思わないのです。
この【幻想の非物質世界】の先には、本当の私たちがいる世界が待っています。
それが、【真実の神霊界】です。
しかし、多くの人たちがそこに行かずに(正確には戻らずに)、
再び【幻想の物質界】にUターンしてしまいます。
つまりは、また肉体の中で生きるという幻想の世界に戻るってことです。
なぜでしょうか?
次回はそこをお話ししていきます。