過去世と来世(原因は今)


 

 

ある問題を解決するために、過去世にそのヒントを探すことがありますよね。

 

ある人の過去世を、過去世を霊視する霊能者が視たとき、いくつかの過去世が視えたりします。 

あるいは退行催眠という方法で、問題を抱える当人がいくつかの過去世を自分自身で視ることもあります。

 

時に来世が視えることもあるかもしれませんが、大抵は過去世が中心になるでしょう。 

ここでいう過去世とは、視えた人生が、今生きている時代よりも前の時代だったから過去世という分類をしているにすぎません。

実際、すべては同時に存在しているので、古い年代の人生から順番に経験しているとは限りません。

ときに新しい時代から、古い時代を選んで再生することだってあるからです。

 

なぜ視える人生が、今よりも古い時代の人生なのでしょうか。

 

それは当人と霊能者の両者が、

 

「今ある問題の原因は過去にあるはずだ」という共通した観念をもっているためです。 

 

 

「現在を作ったのは過去」

 

「今ここにある問題は、この人生の過去、もしくは過去世に原因があるに違いない」 

 

悩む本人も、霊能者もしくは退行催眠を導くヒーラーも、「原因は過去にある」と信じているから過去世だけ現れるのです。

 

 

問題の原因は過去にはありません。

 

かといって未来にあるわけでもありません。

 

正確にいえば、原因が過去につくられたように見えるだけです。

 

 

 

たとえば、よくある事例として子供を虐待してしまう親がいるとします。

 

その親自身が実は子供の頃に虐待されていたという話はよくありますね。

あるいは、この人生でそのような体験がなくても過去世で親に虐待されていたというパターンがあったりします。

 

過去世では、虐待していた親が虐待される側の子供で、現世で虐待されている子供が過去世では虐待する側の親だったなんて話は多いのです。

 

つまり、役割を交代しながらお互いに復讐しあっているのです。

 

復讐というと聞こえが悪いので別の言い方をすると、

 

お互いが相手のことを心の底からゆるすまでそのレッスンは終わらないということです。

 

なぜ、ゆるさなければならないのかといえば、自分が見ているもの、経験しているものは、すべて自分のマインドがつくりだしている幻想にすぎないからです。

 

幻想を真実と信じて反応してしまっているから、さらに幻想が強化される……そういう悪循環が続くのです。

 

 

 

これは人間関係を例にお話ししていますが、

こういう関係性の場合、自分自身が「この連鎖を断ち切ろう」と決意して自分のマインドを変えることをしないかぎり何も変わらないのです。

 

 

この例でいうと、原因は過去にあるように見えます。

再生するたびにお互いに役割を交代して虐待しあっているわけですから。

 

こういう過去世を知ることが、悪循環を断ち切ろうと決意するきっかけになるかもしれません。

自分もかつて相手と同じことをしていたと分かれば、それだけで相手をゆるせるかもしれません。

 

そういう意味では時として過去世を知ることは、現世でのレッスンで役に立つことがあります。

 

 

 

ただ、最初に言ったように原因は過去にはありません。

 

原因は【今ここ】にあります。

 

現世で起きること、【今ここ】で起きるさまざまなことの原因は常に【今】です。

 

 

 

前回で使った図をもう一度見てください。

 

 

 

 

 

 

 

このように、時間の流れを直線的なものだと信じていれば、今ある問題の原因は過去にあるように感じてしまいます。

 

虐待していた者と虐待されていた者との立場が逆転していた過去世があったとします。

 

一見「あぁ、そうか。これが原因だったんだ」と思いたくなりますが、本当にそうでしょうか。

 

では、その過去世での虐待劇の原因はどこにあるのでしょうか。

 

その過去世での虐待劇の原因は、さらにそれより古い過去世でしょうか。

 

あるいは、その過去世で親が子を虐待するきっかけになった要因があるのかもしれません。

 

では、そのきっかけになった要因をつくった要因はどこにあるのでしょうか。

 

 

言ってる意味がわかるでしょうか?

 

 

事あるごとに言っていますが、この世界はマインドがつくりだした幻想です。

自分の目の前で起きるすべてのことは、自分のマインドが投影しているものです。

 

自分が見るものは、自分のマインドの中にあるものを、自分の外側に映し出しているにすぎません。

 

ならば、自分が経験すること、自分の行動、相手の行動、それらすべては、

 

【自分のマインドが発端になっている】ということになります。

 

 

 

 

                    こうではなく、

 

 


こっちです ↓  ↓  ↓

 

 

 

 

原因は常にマインドにあります。

 

マインドはいつだってこの世界の外側にいます。

 

マインドはどんな時代でも『時間の外側』にあります。

 

すべての人生(過去世、現世、来世)は同時に存在します。

 

今ある問題の原因は過去にあるのではなく、

 

今ここを映し出しているマインドにあるのです。

 

 

過去世を知ることは悪いことではありません。それが役に立つことは確かにあります。

 

しかし、役に立たないこともあります。

なぜなら、過去世に原因らしきものを見つけても、その原因らしきものをつくった原因をまた別の過去世に求めなくてはならないからです。

 

ロシアの民芸品のマトリョーシカのようです。

 

 

 

 

 

 

人形の下にまた別の人形が隠れています。

 

同じように今ある問題の原因も、「これが原因だ」と思ったら、その下にまた原因が隠れています。

 

過去に原因を探したら、さらにまた別の過去に原因を探さなくてはなりません。

 

 

 

しかし、マトリョーシカの人形も開け続けたらいつかは最後の人形が現れるように、

私たちが抱える問題の原因もいつかは必ず見つかります。

 

ただしそれは『過去の過去』にはありません。

 

原因は、今ある状況をつくりだしている【マインドの中】です。

 

常に一つのマインドが【時間の外側の世界】にいて、

 

私たちが見るもののすべてを、

 

私たちの行動のすべてを、

 

生み出しているからです。

 

 

先ほどの例でいえば、本当に過去世を探る必要があるかといえば必要はありません。

 

癒しを起こすには【今ここ】を見ることです。

 

過去の行動が今の行動をつくっているのではありません。 

どんな行動をするかは、常にマインドが起点になっています。

 

虐待をしてしまうのは、マインドの中にある【罪悪感】が要因です。 

それがいくつもの時代にまたがって自分を傷つけ誰かを傷つけるパターンをつくりだすのです。

 

だから、本当に問題を解決したいなら、マインドの中の話をしなくてはならないのです。

 

虐待の例でいえば、なぜ自分のマインドの中に【罪悪感】があるのか、

 

その【罪悪感】はいつからあるのか、なぜそのようなものが生まれたのか、

 

その【罪悪感】はどのようにして私たちの目の前に現れるのか、

 

その【罪悪感】はどのようにしたら癒せるのか、

 

霊能者もカウンセラーも、そういう根源的な話をしないかぎり、本当の癒し、本当の安らぎにたどりつくことはできないのです。

 

マインドの中にある原因を見つけ、その原因を癒したとき(ゆるしたとき)、その原因は消えてしまいます。

 

過去世も現世も、同じレッスンが同時に起きています。

だから【今ここ】を生きる自分がマインドの中の原因に気づき、それをゆるすことができたなら、

その原因がつくりだす出来事は『時間という海』から消えてしまいます。

 

 

現世はもちろん、過去世においても、来世においても、同じレッスンはもう不要になるのです。

過去世と現世と来世に対して同時に変化を起こします。

 

現在を変えることは、過去と未来を同時に変えるのです。

 

それはとてもパワフルな奇跡です。

 

奇跡は(癒しは)時空を超え、さまざまな時代を生きる自分に同時に起こるのです。