自分が引き寄せたいものの価値について、自分自身がどれだけ信じているのかが重要だと【引き寄せる価値】でお話しました。
そして、引き寄せがうまくいかない理由はもう一つあります。
今回は【時間講座Ⅳ ストーリーを変える】や【時間講座Ⅴ 並行世】を併せて読んでいただけるとより理解しやすいと思います。
『引き寄せの法則』はこの宇宙共通の普遍的な法則であり、すべての人にあてはまる基本原則です。
ここでは、「引き寄せられるものに難易度は存在するのか?」というお話をしたいと思います。
法則を知った『引き寄せの法則』の講師には、
実践して早い段階からうまくいった人もいれば、最初はうまくいかなかったけれど後にうまくいった人もいます。
当たり前の話ですが、教えている人は結果的にうまくいった人たちです。
だから、法則を学んで成功した人たちは、学んだら誰だって自分と同じようにできると信じます。
このように考えることは間違いではありません。基本法則は誰にでも当てはまることです。
しかし、オリンピックのメダリストに教わったら誰でもオリンピックに出られるわけではないように、
実際に『引き寄せの法則』を学んでも多くの人が思い通りにできません。
なぜできないのか、その理由を講師が本当に理解しているのかというとどうでしょうか。
講師は実践してうまくいった人たちです。
もちろん誰だって最終的にはうまくいくかもしれません。そういう可能性は誰にだってあります。
しかし、講師の多くは比較的早い時期にうまくいった人たちがほとんどです。
だから、いつまでたってもうまくいかない場合の原因を講師自身がどこまで知っているのかは疑問です。
【幻想の難易度】
スピリチュアルな視点でいえば、『引き寄せの法則』に難易度は存在しません。
だってこの宇宙はマインドがつくりあげている幻想世界、夢の世界ですから。
よって難易度も幻想の一つにすぎません。
自分のマインドがその実現に対してどこまで確信しているのかどうかで決まります。
【奇跡のコース】でイエスは、
「『神の子』は本当にそれを信じられるなら山をも動かせるし、死者を生き返らせることもできる」と語っています。
本当に「死なない」と確信できるなら、高層ビルの屋上からジャンプしたって死ぬことはないでしょう。
末期癌で余命一ヶ月と言われても、完治することに絶対的な確信をもてればその人は死なないでしょう。
この世界のすべては幻想です。自分のマインドが信じているものを、目の前の現実としてつくりだしているのです。
しかし、大半の人はそう聞いたからといってすぐにそれを信じることはできません。
理論的にいえば末期癌だって治せます。
空だって飛べます。
一瞬で太平洋の向こうへ移動することも可能でしょう。
でもほとんどの人はそんなことできません。
「信じなさい」と何度言われても、簡単にはできません。
「簡単にできない」これも自分のマインドが持っている観念です。
だから講師は「マインドを変えなさい」と言います。
でもほとんどの人は、数冊の本を読んだり、セミナーに通ったからといって、
何十年と信じてきたものを、そんな簡単に手放せやしないのです。
「あぁ、そうなのか。私は空を飛ぼうと思えば飛べるのか」
そう信じて早速空を飛んでみた人がいったいどれだけいるでしょうか。笑
難易度そのものは幻想です。
しかし、あなた自身の中にある【幻想の難易度】はそう簡単に消えてくれないのは事実です。
消えてくれないから、なかなか望む現実を引き寄せられないのです。
ここからが重要です。
難易度は幻想ですが、
【今ここの自分】のマインドに、
その【幻想の難易度】がしっかりと絡み付いているのは事実です。
たとえば、肉体は幻想です。
自分が「自分とはこうである」と信じている通りに肉体は姿を変えます。
末期癌の患者は、「自分は癌になりたくないけれど、なることが可能な存在」と信じていることになります。
あるいは、「人間は癌に侵されて死に至ることがあり得る」と信じているのかもしれません。
肉体は、マインドの信じたとおりに、マインドからの命令に忠実に従っているにすぎません。
ある民間療法があるとして、
ある癌患者には劇的に効果があったけど、別の癌患者にはまるで効果がなかったという話はよく耳にしますね。
これは単純な見方をすれば、治った患者は「この療法で治ると信じられた」ことになり、
治らなかった患者は「この療法で治ることに疑いをもったから治らなかった」ということになります。
これは『引き寄せの法則』の基本的見地です。
しかし、これでは説明は足りてないと思うのです。
極論としてその説明に間違いはないのですが、それを聞いて多くの人は「あー、そうですね。わかりました」とはなりません。
大切なことは、長年信じてきたものを簡単には捨てられないのなら、
大きくジャンプすることをあきらめて、小さなジャンプをくり返すしかないということです。
たとえば、いくつもの線路の上をいくつもの列車が同時に並走しているとします。
そのうちの列車の一つにあなたが乗っているとします。
でも、あなたが乗りたい列車は10本隣の列車だとします。
誰かが「この線路は幻想だから、10本の線路も簡単に飛び越せる」とあなたに言ったとします。
しかし、あなたは今見ている線路がどんなに幻想だと聞かされてもやっぱり信じられないとします。
でもあきらめることはできません。ならばどうしたらいいでしょう?
とりあえず、自分が信じられる方法でやってみるしかありません。
つまり、まずは隣を走る列車に飛び移るしかないということです。
まずは隣の列車に飛び移り、そしてまたその隣の列車に飛び移るのです。
「なんだ、そんなの言われなくてもわかってるよ。要するに地道な努力を続けるしかないんでしょ」
とあなたは思うでしょう。
しかし、このお話はここでは終わりません。
今の自分が信じられることは「とりあえず隣の列車に乗り移ること」だとしたらそうしてみるしかありませんが、
同じ飛び移るのでも、もっとスピードアップすることは可能です。
つまり、一歩ずつ一歩ずつ前に進むしかないとしても、その「一歩」のスピードを速めることは可能なのです。
本来、その願望がどんなものであれ、
その願いの強さが混じりけのない集中力を伴うものであるなら、
実現のスピードは勝手に加速するものなのです。
しかしそれがそうならないのはなぜでしょうか?
それは、あなたが【今ここ】にいる理由を理解していないからです。
今、あなたが置かれている状況が何であれ、その状況は偶発的に起こっているわけではありません。
それは『引き寄せの法則』を学んだ人ならさんざん聞かされたのではないでしょうか。
「あなたが見ている現実は、あなたの観念、想念でつくられている」と。
【今ここ】がどんな状況か、それ自体に特別な意味はありません。
その状況は、「あなた自身が望んでいたこと」か、「望まなかったこと」のどちらかです。
あるいは、「あなたが信じてきたこと」か、
「自分がそれを信じていたとは信じてなかったこと」のどちらかと言えます。
フィジカルマインド(エゴ)は、あらゆる状況を「良いか悪いか」で肉体のあなたに判断させます。
望みどおりの状況なら「良いこと」、
望みと違う状況なら「悪いこと」と分類させます。
でもハイヤーマインド(本当のあなた)は違います。
まずは今起きている状況には何の意味もないことをあなたに気づかせます。
そのうえで、あなた自身が本当に望んでいることは何なのかを教えます。
あなたの「本当の望み」とは何でしょうか。
それはあなたが『本当の自分』とは誰なのかを思い出すことです。
それが、あなたのマインドの奥底にありながら、あなた自身が気づいていない願望です。
フィジカルマインド(エゴ)は、あらゆる状況を「これが現実だよ」と教え、
その現実を「良いか悪いか」で分類するだけですが、
ハイヤーマインドは、あらゆる状況を「これは幻想ですよ」と教え、
そのうえで、「この状況が続いているのは、この状況が幻想であるにもかかわらず、あなたが現実と信じてそのように反応しているせいですよ」と気づかせます。
そのうえでハイヤーマインドは、今あなたが置かれている状況を、
【本当の自分として反応するためのレッスン】として見つめなおすよう導くのです。
今、あなたが望まぬ状況に置かれ、なかなか行きたい場所に行けない理由は、
今ここにある【あなたのためのレッスン】を終えていないからなのです。
この世界のすべては、私たち『神の子』が『神』からの分離を信じた瞬間につくりだした夢です。
分離を信じ、『神』から離れて独自に生きているという幻想の世界です。
しかし、私たちはその夢の中でずっと苦しんできました。この夢の世界には安らぎがあっても長くは続きません。
愛があったと思うと、いつのまにか愛は消えてしまいます。
大切な人は現れても、いつか別れはやってきます。
何かを手に入れても、いずれそれは失うことになっているのがこの世界の法則です。
私たち『神の子』は、『神』からの分離を信じて、その『分離』を象徴にした幻想世界にどっぷり浸かっているのです。
その夢から醒めて、『神』からは一度も分離していなかった事実を思い出すこと。
それが私たちがこの世界に生まれてくる最大の目的です。
それを思い出すには、目の前で繰り広げられる幻想をゆるしてみせる以外ありません。
簡単に言えば、今置かれている状況のすべては幻想なのだから、
どんな状況であれ、それらすべてを深刻にしないということ。
すべてを受け入れたうえで、ゆるすこと。
目の前の状況を「ゆるすためのレッスン」として見つめなおすことです。
【無数のパターン】
あなたがゆるすまで、同じレッスン、同じ状況が続きます。
目の前のレッスンを終えるまで、次には進めません。
レッスンのパターンは無数にあります。
並行世(パラレルワールド、並行宇宙)では、さまざまなパターンの自分の人生が同時進行で進んでいます。
難易度は幻想ではありますが、難易度がそれぞれの並行世で違って見えてしまうのは事実です。
あなたの願望に対して難易度①の並行世もあれば、難易度⑨の並行世も同時に存在するのです。
たとえばですが、法則を実践した講師が自身の願望を叶えるときの難易度は③程度だったかもしれません。
でも、【今ここのあなた】が生きている並行世の難易度は⑨くらいかもしれません。
その場合、難易度③での成功例しか経験のない講師が、難易度⑨のあなたに自身の体験を話したところでさほど役に立たないかもしれません。
つまり、あなたは線路を9本越えようとしているのに、3本しか越えたことがない人の知識、経験では不足なのです。
もちろんどんな難易度であれ、『引き寄せの法則』の働き方、メカニズムそのものは同じなので、
生徒がその本質を理解して、法則を自分なりに工夫して応用することができれば基本だけで十分です。
しかし、あなたはそれが出来ないから、今これを読んでいるのかもしれません。笑
難易度③で夢を叶えた講師も、実は別の並行世では難易度⑨の人生でもがいていたりするのです。
誰にでも数え切れない並行世が存在します。
難易度③で夢を叶えて、その体験を生徒に教える講師の人生もあれば、
同じ講師が別の並行世では難易度⑨で苦しんで、法則を学んだけれどうまくいかないと悩む生徒の方だったりします。
そんな立場の違う人生が同時に存在するのです。
もちろん難易度⑨でも願望を引き寄せた人生があるかもしれません。
難易度①なのに夢を断念した人生もあるかもしれません。
何度も言いますが、難易度はあくまでも幻想です。
いつか必ず、あなたがどんな難易度でも、いとも簡単に飛び越えられる日が来るでしょう。
しかし、その難易度を完全に幻想として振り切れるようになるには、まだまだたくさんのことを学ばなければならないのです。
とりあえず今は『毎日の小さなレッスン』を積み重ねていくしかないのです。
どんな状況でも、その状況を受け入れること。
受け入れることは、それをあえて肯定してみせること。
その幻想に対し、感情的に反応することをやめること。
【今ここ】の状況が自分に何を教えてくれているのかに気づくこと。
それが出来てはじめてそのレッスンは終わります。ようやく隣の列車に移れるのです。
あなたがいつまでも同じ状況でもがいているのは、あなたが向き合うべきレッスンを無視しているからなのです。
レッスンを無視して強引に先に進もうとしても、いずれまた同じレッスンに引き戻されます。
だって、あなたはそのレッスンを受けるためにここに生まれてきているのです。
レッスンを一つ終えるたびに、あなたはコツを掴んできます。
あなたがレッスンを一つ越えるたび、あなたの引き寄せのパワーは強くなっていきます。
なぜなら、レッスンを終えるごとにあなたは『本当の自分』に近づいているからです。
ちなみにレッスンは人生の途中で増えることはありません。ただ減り続けるだけです。
『本当の自分』は『神』に似せて創造された偉大な存在です。
あなたはこの幻想世界でそれを忘れてしまっているのです。
だから、『本当の自分』に近くなるほど【本来の自分の力】に目覚めてくるのです。
レッスンを終えるたび、あなたはどんどんパワフルになります。
もともとあった自分の強さを取り戻すのです。
そのとき、あなたの引き寄せのスピードは加速します。
どんどん加速します。