あなたの人生で日々さまざまなことが起きます。
あなたが見ている世界は、あなたのマインドの中を象徴的に見せている【夢】です。
あなたの身に起きる出来事は、あなたの視点を軸にしてつくられた【幻想】です。
そして、あなたがもっとも避けて通りたいのは、あなたにとってネガティブな出来事でしょう。
人生を左右するような一大事もあれば、満員電車で足を踏まれる程度の出来事もあります。
起きることのすべてに原因があり、それらすべては、あなたのマインドの中にある何かしらを象徴しています。
出来事のすべては、特別な意味を持ってあなたの夢に現れるわけではありません。
起きることに良いも悪いもありません。
ただ【あなたが望んでいたことか、望んでいなかったことか、どっちでもよかったこと】のいずれかです。
その中で、あなた自身が、「これは重要」「これは些細なこと」とカテゴライズするわけです。
何が重要で、何が些細なことと判断するのか、それはあなたにしかわからない基準です。
他人と共有できる判断もありますが、誰とも共有しない判断もあります。
問題は、その起きた出来事が何であれ、あなたはそれを人生のどこかの時点で受け入れる必要があるということです。
受け入れるとは、その出来事を『ゆるす』ということです。
『ゆるす』とは、あなたにとって否定的な出来事を、
【肯定的に思えるまで考え方を180度変える】
ということです。
その望まない出来事、
あなたにとってネガティブな出来事は、
あなたがまだ『ゆるしたことがない』出来事だから起きました。
それは、この人生ですでに経験済みかもしれませんし、
過去世で起きたことかもしれません。
時間の流れは幻想ですから来世でのことかもしれません。
時間は直線上にあるのではなく、すべてのあなたが同時に存在しています。
いろんな時代に、
いろんな国で、
いろんな立場で、
いろんな顔をしたあなたの分身が、
日々何かの出来事を体験しています。
ここからが重要なので、ゆっくり読んでくださいね。
あなたが心の底から願うことは、
『本当のあなた』を象徴するものです。
【調和、永遠、安定、安全、安らぎ、喜び、自由、無限の創造、無償の愛】
あなたはこれらの象徴、これらをイメージさせるものをこの世界で求めます。
それは場所や家かもしれないし、
恋愛相手かもしれないし、
仕事かもしれません。
これらは、この世界にはいない『本当のあなた』がたえず感じている感覚です。
ときどき感じるのではなく、それしか感じないのです。
『本当のあなた』は、それが当たり前の世界にいるのです。
ところが、この世界は、その世界と正反対につくられた幻想の世界です。
【分離、変化、死、対立、危険、恐怖、不安、悲しみ、怒り、制限、条件付きの愛】
これらをイメージして、この世界はつくられました。
あなたが日々「嫌だな」とか「辛いな」とか感じる出来事のすべては、
【分離、変化、死、対立、危険、恐怖、不安、悲しみ、怒り、制限、条件付きの愛】
をもとにしてつくられた出来事であり、
『本当のあなた』がけっして経験することがない出来事です。
この世界は、私たちのマインドが、
『神』から分離したと信じてしまったために誤ってつくられた幻想です。
この世界では、
【分離、変化、死、対立、危険、恐怖、不安、悲しみ、怒り、制限、条件付きの愛】
を象徴する出来事が起こり、
その出来事に対して、
『本当のあなた』がけっしてしない反応をすることで、
この幻想は強化されていきます。
『本当のあなた』は、
「怒り、不安、悲しみ、恐れ、焦り、妬み」
という感覚を知りません。
そんな感覚をもつ必要のない世界に生まれ生きているわけですから。
だから、あなたは『本来の自分』が絶対に経験しない出来事に遭遇するとうろたえるわけです。
それが、どんなに些細なことであっても同じです。
うろたえて、『本当の自分』がけっして味わない「怒り、不安、悲しみ、恐れ、焦り、妬み」を感じることで、
『本当の自分』をどんどん思い出せなくなっていくのです。
A.【本来のあなたには起こりえない正反対の出来事が起きる】
↓ ↓ ↓
B.【本来のあなたとは正反対の反応を肉体意識の自分がしてしまう。正反対の感情を抱く】
この循環がくり返されることで、この幻想の世界は「真実だ」という信念が強化されます。
そして、その出来事はくり返されることになります。
それが『引き寄せの法則』であり、『波動の法則』だからです。
あなたが引き寄せるものは、あなたの信念であり、あなたが強く感情を込めたものです。
それが、喜びであれ、悲しみであれ、その感情は、あなたがそれを「現実」だと信じたために沸き起こる感情です。
あなたがネガティブな出来事を「現実」と信じるなら、それはまたあなたの人生で再び起こります。
この人生で起きなくても、来世で必ず経験します。
この循環を止めるには、AかBのどちらかを止めるしかありません。
あなたには自分の身に起きる出来事すべてを予測することは不可能です。
この世界を維持しているフィジカルマインドは、私たちの予測をたえず裏切ることを考えるからです。
フィジカルマインドは、私たちのマインドが生み出したものですから、肉体の私たちのことは知りつくしています。
だから、私たちの予測を超える出来事をつくりだすのは簡単なことです。
ならば、
A.【本来のあなたには起こりえない正反対の出来事が起きる】を変えられないなら、
B.【本来のあなたとは正反対の反応を肉体の自分がしてしまう。正反対の感情を抱く】のほうを変えるしかありません。
【Aという出来事が起きたら→Bという反応をする】
のではなく、
【Aという出来事が起きたら→『本当の自分』と同じ反応をする】
ということです。
ネガティブなことが起きたとき、それがあなたにとって重要なことであればあるほどあなたはショックを受けます。
とても感情的になります。これは仕方ありません。
問題はここからです。
泣いたっていいです。
怒ってもいいです。
たくさん悔しがってもいいです。
でもいつかは全部ゆるしてください。
何日かかっても、
何ヶ月かかっても、
何年かかってもいいのです。
生きているあいだに必ずそれをゆるしてください。
『ゆるす』とは、いったんその出来事を受け入れることです。
その出来事を、180度視点を変えて見てください。
その出来事を、最初とは正反対の感情が湧いてくるまで、考え方を変えてください。
つまり、『本当の自分』と同じように見るということです。
フィジカルマインドという教師は、目の前の困難を【不幸がやってきたぞ】と教えます。
ハイヤーマインドという教師は、目の前の困難を【これはレッスンです】と教えます。
一度ゆるした出来事は、
もう二度とあなたの前にやってくることはありません。
これは夏休みの宿題のようなものです。やらないとどんどん後にたまっていきます。
最近は宿題代行というビジネスがあるようですが、あなたの人生の課題を代わってくれる人はいません。
あなたがその出来事を『ゆるす』ことは、その幻想を否定してみせることになります。
一度否定した幻想は、二度とつくられることはありません。
だって、あなたがもうそれを信じないからです。
これは、カウンセリングの世界や、『引き寄せの法則』ではごく基本的なアプローチです。
僕がそれをあらためて説明している理由は多くの人が、
自分の身にふりかかかる困難と戦おうとするからです。
戦うことがポジティブな反応だという観念をもっているからです。
そうやって「戦う」ことが、
事態をより悪化させてしまうことに気づいていない人が多いからです。
『本当のあなた』は一度も戦ったことなどないのです。
【すべてが一つの世界】で生きているあなたに「戦う相手」はいないからです。
「戦おう」と考える時点で、もうフィジカルマインドの思うツボなのです。
「戦おう」と考える時点で、『本当の自分』ではないと宣言しているようなものなのです。
苦しみや困難が、自分の外側からやってくるのであれば、戦って打ち負かすこともできるかもしれません。
しかし、この世界は自分のマインドがつくりだしているわけで、
やってくるように見えるものはすべて【自分の内側】にあるのです。
自分の内側で戦うということは、刃を自分に向けるのと同じです。
そこで得るものは「痛み」しかないのです。
幻想と戦ってはいけないのです。
最後に、
大きな困難に対し、
『本当の自分』として対処してみせたお二人の著名人をご紹介します。
この人たちのゆるし方は、
僕を含めたすべての人のお手本になると思います。
2005年に81歳で亡くなられた映画監督の岡本喜八さんは、太平洋戦争中に過酷な軍隊生活を送りました。
岡本監督は喜劇映画を多数制作したことでも知られています。
そして軍隊生活のことをこんなふうに語っています。
『 当時の私は、自分の寿命を「うまく行って二十三、下手すれば二十一」と、大掴みで踏んでいたのだが、
刻々と近づく死への恐怖をマジメに考えると、日一日とやりきれなくなって行く。
はたと思いついたのが、自分を取りまくあらゆる状況を、コトゴトく喜劇的に見るクセをつけちまおう、ということであった。
これは、存外うまく行った。飢えや、殴る教官や、対戦車特攻訓練を“ 笑い ”にすりかえることで、
ひそかに、ささやかな楽しみが増え、
常時“ 死 ”のことを考えるコトも無くなったからである 』 (『戦争映画と私』より)
もう一人は2018年に亡くなられた女優の樹木希林さんです。
希林さんはガンが全身に転移していながら女優活動を続けてらっしゃいました。
生前、希林さんはAERAとう雑誌の中でこんなふうに語っています。
『生きるも死ぬも、面白がらなきゃやってられない』
『 私は(放射線治療で)薬はなにも飲んでいないの。で、よく人に聞かれるのよ。
「夜は眠れますか?」って。
「はい、よく寝ますよ」。「薬は?」「飲みませんよ」。
食べる物も自由。お酒も控えていない。
そうすると「じゃあ、あなたは一体なんなんですか?」って言うから「全身がんですよ」って。でもそれは事実なのよ 』
『 「老後がどう」「死はどう」って、頭の中でこねくりまわす世界よりもはるかに大きくて。予想外の連続よね。
楽しむのではなくて、面白がることよ。楽しむというのは客観的でしょう。中に入って面白がるの。面白がらなきゃ、やってけないもの、この世の中 』
お二人とも、『喜ぶことしか知らない本当の自分』として、考え方を180度変えました。
もう来世では、同じレッスンは受けずに済むのでしょう。