《 本当に死にたいと思う人だけ読んでください 》
あなたは自分の部屋にいます。
あなたには深い悩みがあります。
なかなか解決できない問題を抱えています。
あるいはこの世のすべてが虚しく感じられ、
すべてに無気力で、
何一つ希望らしきものが見つからないのかもしれません。
ここからは仮定のお話として進めて行きます。
今、あなたは死ぬ方法を考えているとします。
薬物で死のうか、首を吊ろうか、ビルから飛び降りようか、そんなことを一人思い悩んでいるとします。
思い悩んだあげく、あなたは遂にそれを決行してしまいました。
死後の世界にあなたは来ました。
生と生の狭間。
時間と時間の谷間の世界です。
あなたの守護霊が立っているのが見えます。
先ほどまで生きていたあなたの人生をずっと見守っていてくれたその人です。
あなたが生まれる瞬間から、
死を選んだ瞬間まで、
ずっとあなたを励まし、
ずっとあなたを愛し続けてくれたその人です。
女性か、男性か。
老人か、若者か。
人種はどうでしょうか。
どんな格好をしているでしょうか。
あなたが最初に思い浮かんだ姿、それで間違いありません。
その姿で守護霊は、
今、あなたの目の前に立っています。
初めて会ったようでいて、とても懐かしく感じるその人です。
守護霊はあなたに言います。
「あなたはとてもよくやった」
「あなたはとてもたくさんのレッスンを経験した。本当によくやったよ」
そして、こう言います。
「でも、あなたは戻らなければならない」
「どうして?」とあなたは言う。
「人生の終わりはその人生からの卒業だ。その人生で残したレッスンはない。でもあなたはレッスンを途中で放棄した。だから戻らなくてはいけない」
あなたは嫌だと首を振ります。
「ずっとここにはいられないよ。あなたは再び同じレッスンを受けるまで、どこにも行けない。そのレッスンが終わるまで、あなたは行きたい場所には行けない」
守護霊はあなたの傍に立ち、優しくあなたに語り続けます。
「あなたは何らかの次の人生を選ばなくてはならない。先ほどの人生と全く違う環境か、先ほどまでの人生と極めてよく似た人生か、あなたは選ぶことができる。ただいずれにしても、あなたは死を選ぶことになった時と同じ状況を再び経験する」
そう言われてもあなたは何も答えられない。
もう二度とあの苦しみの闇の中には戻りたくない……。
「あなたは忘れているけれど、あなたは神の元に帰りたいと願った。
そのために再生を繰り返して、
それぞれの生の中で、
神の元に帰るための赦しのレッスンをすると誓った」
「私たちがそばにいるよ。
でも私たちは、あなたの代わりにあなたの問題を解決することはしない。
あなたがとるべき行動を具体的に指南することもしない。
あなたは、あなたが経験する一つ一つを、その都度あなた自身で選んでほしい。
自発性だけがあなたを成長させられる。
自由意志はあなたが神から受け取った宝物だ。
あなたが自由に選んで、その選んだものの責任をあなた自身が負ってほしい。
そうすることで、あなたは自分が与えられた力をだんだんと思い出す。
だから私たちはあなたの成長の邪魔はしない」
「私たちはあなたが神の元に帰る道を塞ぐわけにいかない。
あなた自ら手を伸ばしてほしい。
私たちに向かって、
私たちの神に向かって、
あなたなりに精一杯手を伸ばしてほしい。
私たちも精一杯あなたに向かって手を伸ばしている。
だからあなたからも精一杯手を伸ばしてほしい。
漠然と助けを待つのではなく、
道に座り込んで顔を伏せているのではなく、
まずはあなたが自分の意志で立ち上がってほしい。
止まるという選択も、
進むという選択も、
私たちはあなたの思いを尊重する。
立ち上がって前に進むという決断はあなただけが出来る。
あなたが進むと決断したなら、私たちはようやくあなたの背中を押すことが出来るのだ」
「どちらの方角へ進むべきかわからなくなったら、私たちに尋ねてほしい。
私たちはあなたの心にヒントを送る。
あなたの自発性を損なわぬよう配慮しながら、
あなたの自由意志を尊重しながら、あなたの進む道をそっと照らしてゆく。
あなたが今より幸せになれるように。
あなたが今より神を思い出せるように。
目には見えないだろう。
声も聞こえないかもしれない。
触れることもできないだろう。
それでも私たちはあなたのそばにいる。
必ずそばにいるよ。
いつでもあなたの一挙手一投足を見ているよ。
いつでもあなたの心を見ているよ。
あなたの心のどんな小さな呟きも、
どんな苦しみに満ちた叫びも、
すべて聞き逃さずに聞いているよ。
だからもう一度トライしてほしい。
今度は自分一人で生きていると考えず、
いつでも私たちと一緒に生きていると思ってほしい。
困難に出会うときは、私たちを呼び、私たちと共に考えてほしい。
あなたが孤独を感じるときは、
あなた自身が私たちを遠ざけているのだから」
「どうか忘れないでほしい。
あなたは私たちの大切な一部だよ。
私たちはあなたの大切な一部だよ」
しばらく考えて、あなたは決める。
あなた自身の意志で「戻ろう」と決める。
次はどんな肉体を選ぼうか、
次はどんな環境を選ぼうか、
あなたは考える。
いっそ全く違う時代に行こうか、
全く違う国に行こうか、あなたは悩む。
しかし、いずれの人生を選んだとしても、再び同じレッスンが待っている。
死を選ぶことになったあの時と同じ状況を経験することになるだろう。
あなたは決める。
前と同じ人生に戻ろうと。
正確には、前と同じではなく前の人生にとてもよく似た並行生だ。
でも今度は以前とはまったく違う選択をしてみようと決める。
まったく違う見方で同じレッスンにチャレンジしてみようと考える。
あなたは、あの時に自殺を思い留まったパターンの並行生を選んだ。
あなたは守護霊に別れを告げ、再生のための光のトンネルを抜けてゆく。
今、この瞬間、あなたは帰ってきました。
あなたは確かに死んで、確かに向こうの世界へ行き、確かにここに戻ってきました。
以前いた場所、
以前の自分と同じ姿です。
あなたが自死の方法をあれこれ考えていたその日のその時間に帰ってきました。
今のあなたは自分がどんなふうに自ら死を選んだのか思い出せなくなりました。
あなたは死後どこかへ行き、誰に会って、何を聞いて、何を自ら選択したのか、すでに思い出せなくなりました。
ぼんやりとした遠い夢のような記憶しか残っていません。
死を選ぶ前にあった問題は、変わらずにあなたの目の前にあります。
しかし、以前と少し違うのは、
誰かが見ていてくれているような、
誰かが聞いていてくれるような、
誰かがそばにいるような気配がほんの少しするのです。
そして、以前とは違った目で問題と向き合えるような気がしてきます。
以前と変わっていないように見える自分の人生が、ほんの少し違っているように感じられます。
今、あなたは確かに生まれ変わったのです。